2018年3月17日
エイジレスに働ける社会の実現に向けた高齢社会対策/ご相談は大阪の社労士 くぼた労務行政事務所まで!
内閣府から、平成30年2月16日に開催された「第29回高齢社会対策会議」の資料が公表されました。今回の会議では、新たな高齢社会対策大綱の案について議論が行われました。年金の受給開始年齢について70歳以降を選択可能とすることを盛り込み、高齢者の就業促進と年金の給付改善を期待するものです。数値目標も設定し、2016年時点で63・6%だった60~64歳の就業率を2020年に67%まで引き上げる目標を掲げています。
●大綱策定の目的
・65歳以上を一律に「高齢者」と見る一般的な傾向はもはや現実的なものではなくなりつつあり、70歳やそれ以降でも、意欲・能力に応じた力を発揮できる時代が到来。
・高齢化に伴う社会的課題に対応し、全ての世代が満ち足りた人生を送ることのできる環境をつくる。
●基本的考え方
(1)年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会(※1)を目指す。
○年齢区分でライフステージを画一化することの見直し
○誰もが安心できる「全世代型の社会保障」も見据える
※1エイジレス・ライフとは内閣府によって推し進められている、高齢者の生活様式。これは年を重ねて高齢者となった者が、年齢にとらわれることなく自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送ろうというものである。エイジレス・ライフというのは社会に参加するという形式での生活という事とされており、これは就業であったり社会活動であったり、または異なった世代との交流であるなど、高齢となった者でも社会の一員として活動できるという生活を見つけ出そうというものである。
【出典:Wikipedia】
(2)地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
○多世代間の協力拡大や社会的孤立を防止
○高齢者が安全・安心かつ豊かに暮らせるコミュニティづくり
(3)技術革新の成果(※2)が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。
○高齢期の能力発揮に向けて、新技術が新たな視点で、支障となる問題(身体・認知能力等)への解決策をもたらす可能性に留意
※2政府では、“Society 5.0”、すなわち、「サイバー空間の積極的な利活用を中心とした取組を通して、新しい価値やサービスが次々と創出され、人々に豊かさをもたらす、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上5番目の社会」の実現に取り組むこととしている。(経済財政運営と改革の基本方針2017、平成29年6月9日)
・年金の受給開始時期は、現在、60歳から70歳までの間で個人が自由に選べる仕組みとなっている。このうち65歳より後に受給を開始する繰下げ制度について、積極的に制度の周知に取り組むとともに、70歳以降の受給開始を選択可能とするなど、年金受給者にとってより柔軟で使いやすいものとなるよう制度の改善に向けた検討を行う。
・また、在職老齢年金については、高齢期における多様な就業と引退への移行に弾力的に対応する観点から、年金財政に与える影響も考慮しつつ、制度の在り方について検討を進める。
などとされています。
少し前までは70歳定年制や年金受給開始年齢を70歳に引き上げる事は非現実的との見方が多かったのですが、現実のものとなるかも知れません。