2018年4月14日
平成30年5月からの確定拠出年金制度の改正/ご相談は大阪の社労士 くぼた労務行政事務所まで!
厚生労働省から、平成30年3月15日「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(平成30年5月1日施行)」が公表されました。 確定拠出年金制度について、平成30年5月から、確定拠出年金における運用の改善、中小企業向けの対策、確定拠出年金及び確定給付企業年金におけるポータビリティの拡充等を内容とする改正が施行されます。
確定拠出年金制度は、事業主等が拠出した掛金を個々の加入者が投資信託、預貯金、保険商品等の運用商品を選択した上で運用し、その運用結果に基づく年金を老後に受け取る制度です。 したがって、老後までの間の運用が、将来給付を左右することとなるため、個々人の運用商品の選択が重要となります。改正確定拠出年金法では、加入者の運用商品の選択に資するべく、事業主等に対するいわゆる「投資教育」の提供や最低でも3つ以上(簡易企業型年金においては2つ以上)の商品の提示を義務付ける等の改正を行っています。
概要は次のとおりです。
●中小事業主掛金納付制度の創設(個人型年金関係)
○中小事業主掛金納付制度は、企業年金を実施していない中小企業が、従業員の老後の所得確保に向けた支援を行うことができるよう、その従業員の掛金との合計がiDeCoの拠出限度額の範囲内(月額2.3万円相当)でiDeCoに加入する従業員の掛金に追加して、事業主が掛金を拠出することができる制度です。
○当該制度を利用する場合は、iDeCoの実施主体である国民年金基金連合会及び厚生労働大臣(地方厚生(支)局長)に届け出る必要があります。
○従業員の掛金は、中小事業主掛金とあわせて、事業主を介して国民年金基金連合会に納付する必要があります。
●簡易企業型年金の創設(企業型年金関係)
設立条件を一定程度パッケージ化された制度とすることで、設立時に必要な書類等を削減して設立手続きを緩和するとともに、制度運営についても負担の少ないものにするなど、中小企業向けにシンプルな制度設計とした企業型年金(簡易企業型年金)を創設
簡易型DCで簡素化される事務
【導入時に必要な書類の簡素化】
○導入時に必要な書類は、原則、「規約案」、「厚年適用事業所確認書類」、「従業員が100人以下であることを証する書類」、「労働組合等の同意」、「労使協議の経緯」、「労働組合の現況に関する事業主証明書」に限定するよう大幅に簡素化。
※「運管委託契約書」、「資産管理契約書」、「運管選任理由書」、「就業規則」(原則)等の添付書類の省略を可とする。
【規約変更時の承認事項を届出事項に簡素化】
○「事業主の運管業務」、「運管委託業務」、「運管委託契約事項」、「資産管理契約事項」、「事業主掛金の納付事項」、「加入者掛金の納付事項」を届出事項とする。
【業務報告書の簡素化】
○報告を必須とする事項を「他の企業年金の実施状況」、「厚生年金保険適用者数」、「指定運用方法の選定状況(労使協議の経緯を含む。)」等に限定。