2018年6月16日

平成29年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確報)を公表/ご相談は大阪の社会保険労務士 くぼた労務行政事務所まで!

厚生労働省は、平成29年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確報)の取りまとめを公表しました。
昨年(平成29年)の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は544人と、平成28年よりも82人増加し、うち死亡者は14人と、前年より2人増加しました。熱中症による死傷者は、平成23年以降、毎年400~500人台で高止まりの状態にあります。平成29年の業種別の死亡者をみると、建設業が全体の約6割(8人)と、最も多く発生しています。

 

■熱中症とは
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。

 

また、熱中症で死亡した14人の状況をみると、WBGT値※(暑さ指数)の測定を行っていなかった(13人)、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(13人)、事業者が水分や塩分の準備をしていなかった(4人)、健康診断を行っていなかった(5人)など、基本的な対策が取られていなかったことが分かります。
※WBGT値とは
気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。

 

熱中症の予防については、第13次労働災害防止計画において、2018年から2022年までの5年間でそれまでの5年間と比較して、死亡者数(各期間中(5年間)の合計値)を5%以上減少させる、との目標が設定されています。
厚生労働省は、熱中症予防対策の徹底を図ることを目的として、関係省庁及び関係団体との連携の下、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。
このキャンペーンは、これまで各団体において個々に実施されていた取組について相互に連携を図り、一体的に推進することにより、事業場における熱中症防止に対する意識の向上及び責任体制の確立を含む対策の徹底を図ることを目的としています(取組期間:平成30年5月1日から9月30日)。

 

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